こんにちは、登山歴3年のカエルハイカーです。夫婦で登山を楽しんでいます。
2023年1月上旬、八ヶ岳連峰の最北端にあり日本百名山の蓼科山(たてしなやま、標高2,531m)に登りました。雪山はまだまだ初心者ですが、今回は厳冬期の2,500m級に初めてチャレンジ!
蓼科山は雪山初心者向けと言われていますが、その理由は下記の3つ。
⚫︎ 冬でも入山者が多くトレース(踏み跡)がしっかりついている
⚫︎ 気をつけて歩けば大きな危険箇所がない
⚫︎ コースタイムが往復5時間ほどで日帰り登山が可能
とはいえ、標高2,500mの世界は天候によって難易度が大きく変わるもの。しっかりとした冬山装備が必要です!
今回は、すずらん峠園地駐車場(女乃神茶屋の前)から往復する、冬の定番ルートで登ってきました。
ピッケルは必要か?チェーンスパイクで登れるか?など、気になる装備についても前半でご紹介していますので参考になれば嬉しいです。
森林限界を越えたら山頂まで遮るものがなく吹きさらしです。この日は幸い風がほとんどなく穏やかでしたが、お天気が荒れると爆風で前に進むのも至難の業、山頂でも滞在できないほどの寒さになるとか…。お天気の良い日を選ぶこと、低体温症のリスクに備え、ダウン、冬用シェル、ニット帽、ネックウォーマーなど防寒対策もかなり重要です!
※ここに記載の内容は2023年1月現在の情報です。
[蓼科山] 5つのおすすめポイント
- 大きな危険箇所がなく、冬も登山者が多い山なので安心
- 歩行時間が往復5〜6時間程度で日帰り可能
- 登山道では美しい樹氷が楽しめる
- 山頂から360度の大展望(北・中央・南アルプス、八ヶ岳など)
- 日本百名山
[蓼科山] 今回の雪山装備
12本爪または10本爪アイゼン
雪が少なければチェーンスパイクで登る方もいるようですが、傾斜が急なのでけっこう滑ると思います。私は10本爪、旦那は12本爪アイゼンを着用して登りました。
ピッケルは必要か?
ピッケル装備の方も半分ぐらいいましたが、ストックでもなんとかなりました。ピッケルは強風時に体を支えたり、滑落防止の役割もあるそうなので、安全面から言うとあったほうがいいのかもしれませんが…。急斜面ではピッケルがあると楽だと思います。
登山靴は冬用?
冬用の登山靴を持っていないので、今回は残雪期や低山雪山で使っている3シーズン用の靴で登りました。3シーズン用ですが、靴底が硬く、かかと部分にアイゼンを固定するコバが付いているので雪山でも使うことができます。
厳冬期なので凍傷のリスクなどを考えると、断熱材が入った冬用登山靴の方が安心だと思いますが、今回はお天気がよく気温がそこまで低くなかったので足先が少し冷たいと感じる程度でした。(靴用カイロ入れてます笑)
マムートの Kento Guide High GTXを使っています。
服装は冬用シェルとダウンは必須
厳冬期の雪山なので、防寒対策はしっかりめにしていきました。行動中は暑くても、山頂での停滞時はとても寒いので、冬用シェルやダウンがないと辛いです。
参考までに…今回着用したウェアです↓
(上)
■冬用シェル:ミレー ティフォン50,000ウォーム
■化繊ダウン:アークテリクス アトムAR フーディー
■フリース:モンベル シャミースジャケット
■ベースレイヤー:モンベル ジオライン 厚手
■ベースレイヤー:モンベル スーパーメリノウール 中厚手
(下)
■スボン:ノースフェイス アルパインライトパンツ
■ミッドレイヤー:ミレー スーパーパワーパンツ
■ベースレイヤー:モンベル スーパーメリノウール タイツ 中厚手
[蓼科山] アクセス・駐車場・トイレ
アクセス
登山口がある「すずらん峠園地駐車場(女乃神茶屋の前)」までのアクセスをご紹介します。
<車>
中央自動車道 「諏訪IC」から約40分、ビーナスラインを登っていきます。
2車線で除雪されていて走りやすい道でした。駐車場は雪があるのでスタッドレス必須です。
<公共交通機関>
茅野駅から蓼科山登山口行きのバスがありますが、冬季は運休しています。別路線の北八ヶ岳ロープウェイ行きのバスに乗り、石臼台別荘地というバス停で降りれば行けなくはありませんが、バス停から蓼科山登山口まで徒歩40分ほどかかります。(バスの本数が少ないので帰りの時間にも注意が必要)
※バスの時刻表はこちら
駐車場
女乃神茶屋の向かいにある「すずらん峠園地駐車場」が無料で利用できます。登山口がすぐ横にあり、冬季利用可能なトイレも設置されているので安心。
駐車台数が約30台と少ないので、週末や連休は早朝から満車の可能性大!私たちは朝7時に到着しましたが、すでに満車でした…。(3連休の真ん中の日です)
満車だった場合は、駐車場から少し引き返したところにある「女乃神展望台」の駐車スペースに数台停められます。ここは八ヶ岳や日本アルプスが綺麗に見渡せる最高のビュースポット!
こちらも満車の場合は、、、
さらに引き返した場所に数台の駐車スペースがあります。今回はこちらになんとか停めることができましたが、登山口までは車道を歩いて30分ほどかかります。
綺麗な八ヶ岳の景色を見ながら登山口までウォーミングアップできたので、結果オーライということで!
下山した時には、路駐している車もたくさんありました。
トイレ
登山口のすずらん峠園地駐車場に冬季も利用できるトイレ(協力金100円)があります。トイレットペーパーも設置されていました。
登山道や山頂にはトイレがないのでご注意ください。山頂ヒュッテは冬季休業中です。
[蓼科山] 登山ルートと歩行時間
今回のルート
すずらん峠園地駐車場(女乃神茶屋前)から往復する、冬季の定番ルートです。冬季は7合目登山口が通行止めになるので、こちらのルート一択となります。
3度の急登があり体力的には決して楽ではないコースですが、登山道では美しい樹氷が楽しめます。幸徳平から先は急な登りが続きますが、森林限界を越えると八ヶ岳の森とアルプスの山々を一望する絶景が待っていますよ!つい景色に見とれてしまいますが、岩と雪のミックスゾーンなので、転倒や捻挫などアイゼンワークに注意が必要です。
歩行時間
総歩行時間:約4時間30分 (休憩除く)
休憩を合わせると、合計の所要時間は約5時間30分でした。登山アプリYAMAPによると標準ペースでした。
お天気がよく風がなかったので、山頂で絶景を見ながらランチ休憩をとりました。
[蓼科山] 登山
女乃神茶屋は休業?登山口は道路を挟んで向かい側。
蓼科山登山口。ここでアイゼンを装着して出発。
最初は緩やかな道でほぼ並行移動。木々の間から覗く青空に気分はルンルン♪
八ヶ岳は2年前の北横岳以来、初めての雪山登山で少し緊張しながら登ったのを思い出します。
北横岳は雪山入門として大人気の山で、蓼科山より難易度が低いので雪山初心者の方におすすめですよ! スキー場が併設しているので安心感もありますね。
第一の急登はあっさり終了。岩と雪のミックスゾーンでなので、アイゼンワークを慎重に。
第二の急登。さっきより傾斜があってなかなかハード。危険な場所はありませんが体力勝負です!
立ち止まって振り返ると、疲れが一気に吹き飛ぶご褒美!中央アルプス(左)と御嶽山(右)がくっきり。
標高2,100mあたり。2つ目の急登を登り切るとしばらく平坦な道が続きます。
ついに蓼科山が見えた!あれを登るのか〜、きつそう。
幸徳平から先が第三の急登、コース上で一番の難所になります。ここで長めの休憩をとりエネルギー補給。
ここからがほんとに長くて、登っても登っても先が見えない。ふくらはぎパンパン、標高のせいか呼吸も上がって酸欠状態。
そんな時は、立ち止まって見上げる。真っ青な八ヶ岳ブルーが元気をくれます。
すごい傾斜!茅野市の街並みの向こうに、南アルプスと中央アルプスが見えてます。
立派なエビの尻尾がたくさん。
南八ヶ岳ドーン!
やっと森林限界こえる!
森林限界を越えたら山頂まで残り15分ほど。雪と岩のミックスゾーンなので転倒や捻挫に気をつけて慎重に。
山頂まであと少し!
ダイナミック!本当にすごい景色。今が一番と思って写真を撮るけど、次から次へとそれが更新されていって、なかなか前に進めない。北アルプスも見えてますね。
右へ進むと蓼科山頂ヒュッテ(山小屋)。冬季は休業中なので立ち寄らず山頂へ。
標高2,531m、蓼科山登頂!噂通りの広大な山頂。
山頂一帯はゴツゴツした溶岩台地になっていて、異世界感があります。向こうの先端のところまで行くと大展望が開けています。
真ん中には蓼科神社奥宮の鳥居と祠。
雪に埋もれた蓼科山頂ヒュッテ。冬季は大晦日だけ営業されていて宿泊できるそうです。年越しそばやおせち料理、カウントダウンライブも開催されるとか♪
風がほとんどなく穏やかだったので、山頂でランチ休憩。目の前に八ヶ岳を見ながら最高に贅沢な時間。
メニューはお決まりのカップ麺。モンベルで折りたたみ式のカトラリーを手に入れたので、ようやく割り箸を卒業。
暖かい日とはいえ山頂の気温はマイナス5℃。長居すると体がどんどん冷えていくので、ご飯を食べたらソッコーで下山。下山は来た道を戻るだけなので割愛させていただきます。
下山後、女乃神展望台から南八ヶ岳の景色を堪能。この後、北八ヶ岳ロープウェイへ行き(車で10分)、蓼科山の登山バッジをゲットしました。
まとめ
往復5時間ほどで手軽に雪山登山が楽しめる蓼科山。登山口には駐車場やトイレもありますし、登山者が多いので安心して歩くことができます。美しい樹氷と八ヶ岳ブルー、山頂の溶岩台地、360度見渡す大展望など、お天気が良ければダイナミックな景色に圧倒されること間違いなしです!