こんにちは、登山歴2年半のカエルハイカーです。夫婦で登山やキャンプを楽しんでいます。
2022年4月上旬、鈴鹿セブンマウンテンのひとつ釈迦ヶ岳(標高1,092m)に登りました。釈迦ヶ岳は三重県と滋賀県にまたがる山で、鈴鹿山脈の真ん中あたりにあります。岩場、ガレ場が多くとっても登りごたえのある山です。
釈迦ヶ岳の名物といえば「大蔭のガレ(大ガレ)」と呼ばれる大迫力のキレット。そして、羽鳥峰(はとみね)のハートの地上絵も楽しみのひとつ。
今回はその両方が楽しめる、中尾根ルート〜猫岳・羽鳥峰周回コースで歩いてきました。多くの方が歩かれる最もメジャーなルートで、釈迦ヶ岳の魅力をたっぷりと味わうことができますよ。
難易度は、初心者にはちょっと大変かなというイメージ。両手を使って岩場を登ったり、ほぼ垂直な斜面のロープ場があったり、やや中級者向けだなと感じました。
手を使って登る場所がたくさんあるので、手袋があったほうがいいかも。
※ここに記載の内容は2022年4月現在の情報です。
[釈迦ヶ岳] 5つのおすすめポイント
- 大迫力のキレット「大蔭のガレ(大ガレ)」を歩ける
- かわいいハートの地上絵が見られる
- アルプスのような稜線歩きが楽しめる
- 人が少ないので景色を独り占めできる
- 鈴鹿セブンマウンテン
[釈迦ヶ岳] アクセス・駐車場・トイレ
アクセス
登山の起点となる「朝明渓谷(あさけけいこく)駐車場」までのアクセスです。
■新名神高速道路 「菰野(こもの)IC」より車で約15分
湯の山温泉が近くにあるので、下山後は「アクアイグニス」の日帰り温泉がおすすめですよ。泉質が良いと評判のお湯です!
駐車場
朝明渓谷(あさけけいこく)有料駐車場を利用します。
料金:500円/1日 (前払い)
収容台数:約70〜80台
トイレ:あり (水洗トイレ、トイレットペーパーあり)
土曜日の朝7時半頃で半分ほどの埋まり具合でした。
駐車場に到着すると、どこからともなくロングヘアーのおじさんがやってくるので、駐車料金の500円を支払います。その際、登山計画を聞かれるので行き先(どのルートで登るか)を伝えましょう。
無人の際はトイレの前にある料金箱に500円を入れる仕組みになっています。
トイレ
朝明渓谷駐車場にトイレがあります。水洗でトイレットペーパーも設置されている綺麗なトイレです。
釈迦ヶ岳は登山道や山頂にトイレがありません!必ずここで済ませてからスタートしましょう。
[釈迦ヶ岳] 登山ルートと歩行時間
今回のルート
今回は、中尾根ルートで登り、猫岳・羽鳥峰(はとみね)を通る周回コースで歩いてきました。名物の「大蔭のガレ(大ガレ)」のキレットと、ハートの地上絵の両方が楽しめる、最も人気のある王道コースとなります。
中尾根ルートは岩場やガレ場、急登が多く登りごたえたっぷり!釈迦ヶ岳山頂から猫岳・羽鳥峰までは気持ちのいい稜線歩きが楽しめます。下りで使う猫谷ルートには、一部急な岩場を下りる場所がありますが、ロープが設置されているので慎重に下りれば大丈夫。
朝明渓谷駐車場▶︎中尾根▶︎大蔭のガレ(大ガレ)▶︎釈迦ヶ岳最高点▶︎釈迦ヶ岳山頂▶︎猫岳▶︎羽鳥峰▶︎朝明渓谷駐車場
スタートしてまもなく「庵座谷ルート」という谷を通るルートへの分岐があります。庵座谷ルートでも大陰のガレ(大ガレ)を歩くことができますが、中尾根ルートより難易度が高そうだったので今回は避けました。
歩行時間
総歩行時間:約4時間30分 (休憩除く)
ランチタイムを含め1時間ほど休憩したので、合計の行動時間は5時間30分ほどでした。
前半の中尾根ルートは岩場や急登が多く思ったより時間がかかりましたが、後半は爽快な稜線歩きでペースアップ。登山道が変化に富んでいるので、まだかな〜長いな〜という感覚はありませんでした。
[釈迦ヶ岳] 登山
上り:中尾根ルート
朝明渓谷駐車場の向かいにある登山口からスタート!この日は気温0度の予報で、4月上旬とは思えない寒さ。ダウンに手袋、ニット帽…冬山装備で登りました(笑)
雪はすっかり溶けていて安心。念のためチェーンスパイクも携帯していますが、いらないかな。
スタートから10分もかからずに、中尾根ルートと庵座谷ルートの分岐に出ます。今回は中尾根ルートなので右へ!(庵座谷は少し難易度が高いようです)
すぐに渡渉箇所が!左側に飛び石で渡れるところがあるのでご安心を。
川を渡るとすぐに「中尾根ルート登山口」の青い看板があるので、そこから登っていきます。
お決まりの最初は急登パターン。根っこのトラップ多めです。
石のトラップも多めです。でもこんなのまだまだ序の口。
昨日の爆風で折れたのかな?ザックが引っかかって通りぬけできないので、右手に回り込みました。
アセビの木がたくさん!チラホラと花が咲いていて、寒さの中にも春の訪れを感じます。
この壺のような形のお花ですぐにわかりました。
岩場の急登が多いのも中尾根ルートの特徴のようです。手足をフルに使ってガシガシ登ります。
笹まみれになって進む藪漕ぎのような道も!
だいぶ登ってきましたね。少し開けた場所で振り返ると、絶景ビュー!真ん中の山は鈴鹿セブンマウンテンのひとつ「雨乞岳(あまごいだけ)」。鈴鹿山脈で2番目に高い山、鈴鹿セブンの中では最高峰になります。
登り切ると、ちょっと一休みできる岩場の展望スポットがあったので休憩。
気をつけて岩の上に登ってみると見晴らしがとてもいいです。お天気が微妙ですが、鈴鹿の山々やこれから歩いていく猫岳も一望できます。動画でお楽しみください!
すぐにもう一つの展望スポットが!
こちらからは、伊勢湾を望むことができます。お天気が…。
展望スポットからすぐのところ、「え?どっちに行けばいいの?」と迷う分岐がありますが、青い看板のある左方向(迂回路)へ進むのが正解!YAMAPの地図アプリでも、迷いやすいスポットとして何人かの方が投稿されていました。
左へ進むとすぐに岩場があります。捻挫に注意!
なが〜い急登。でもこれを登り切れば…
ようやくお釈迦様の最高点をとらえました!ということは、そろそろですね….
待ってました〜!本日のハイライト「大蔭のガレ(大ガレ)」。痩せ尾根のキレットがすごい迫力です。
かなりスリリングに見えますが、実際に歩いてみると案外道幅が広くて全然怖くありません^^;とはいえ左右は断崖絶壁になっているので、ゆっくり慎重に渡りましょう。
こうやって見ると、すごいところを歩いていますよね。
大蔭のガレを渡り終えて、釈迦ヶ岳最高点への急登に差し掛かったとき、ぐらついた危険な岩を発見!
実は大蔭のガレを渡る直前、何かが滑り落ちるような大きな音が聞こえたんです。「まさか誰か滑落したの?」と一瞬焦りましたが、おそらく正体はこの大きな岩。上から転がり落ちたみたいです。
こういう場面に遭遇すると身が引き締まりますね。釈迦ヶ岳は落石が多いようなので、十分気をつけてくださいね。
ドキッとした場面もありましたが、ひとまず釈迦ヶ岳最高点に到着!山頂はもう少し先になります。
最高点から山頂までは稜線を歩いて5分ほど。
釈迦ヶ岳方面へ。登頂後はまたここまで戻ってきて、ハト峰方面へ向かいます。
1092m、釈迦ヶ岳登頂!山頂のほうが最高点より5mほど低いんですね..。伊勢湾と伊勢平野が一望できます。
下り:猫岳・羽鳥峰〜猫谷ルート
山頂から少し戻ったところに、景色を見ながら休憩できそうなスペースがあったのでランチタイム♪
軽量なレジャーシート派だったんですが、最近は折り畳みチェアを携帯しています。寒い冬でもお尻が冷えなくて快適。
次のチェックポイント「猫岳」を目指します!猫ちゃんのお山?かわいいネーミングにワクワク♪
ザ・鈴鹿なザレザレの道を下って行きます。
一部残雪のある道を歩くところがありましたが、チェーンスパイクなしで大丈夫でした。
どろっどろな急斜面(汗) 思いっきり滑ります。大蔭のガレより全然怖いです。
猫岳見えました!
猫岳への稜線の途中で振り返ると、先ほど歩いてきた大ガレが見えます。迫力ありますね〜
猫岳山頂!かわいい猫ちゃんの何かを期待していましたが、特にこれといって猫らしいものはありませんでした。
この岩が猫岩だそうです。せめて猫耳ぐらい欲しかったな。
さ、気を取り直して次の目的地である羽鳥峰へ!
稜線歩きが最高に気持ちいい♪トレランっぽく小走りになっちゃう。
ここもザレていてよく滑りました。ザレていようがなんだろうが、とにかく下りになるとスピードアップする夫(笑)
あ、なんだろう?十字架のようなものが見えてきた!
登り切るとついに、
羽鳥峰(はとみね)に到着!ということは、振り返ると….
あったー!!これが見たかったんです。
ナスカの地上絵ならぬ、キュートなハートの地上絵!羽鳥峰(ハトミネ)=ハート峰ですね♡
こんなことやろうって考えた人、最高じゃないですか!よく見ると、ちゃんと今日の日付になっているんですよ。一番乗りの人が変えてるのかな?それとも毎日同じ人が?
せっかくなので地上絵のある場所まで行ってみました。奥の三角の山が羽鳥峰。先ほど地上絵を眺めた場所です。私も作りたい欲が騒ぎましたがグッと我慢。
羽鳥峰峠とある場所が、ここ地上絵がある場所です。御在所岳へも縦走できるんですね。
地上絵を満喫したら、猫谷コースで朝明渓谷へ下ります。
ガレガレとした岩の多い登山道
沢沿いを下っていきます。このまま難なく下山かと思っていると…
うわ!ロープ場が出現!最後の最後まで楽しませてくれますね。
かなり急なのでゆっくりと慎重に下ります。
ここで登山道は終了。ここから林道を30分ほど歩いて朝明渓谷駐車場まで戻ります。
地味に長いので今日の釈迦ヶ岳を振り返りつつ、次の山行計画を練りながら…。
今回釈迦ヶ岳をクリアし、鈴鹿セブンマウンテンも残り2山となりました。鈴鹿のマッターホルンと言われる「鎌ヶ岳」、そして道迷いが多く中級者向けの「雨乞岳」。初心者向けから攻めていったらレベルが高そうな2つが残った…。今年中には制覇できるかな。
まとめ
大ガレ(大蔭のガレ)のキレットが楽しい、鈴鹿セブンマウンテンのひとつ「釈迦ヶ岳」。岩場やロープ場などアスレチック要素満載で、とっても登りごたえのある山でした。
羽鳥峰ではかわいいハートの地上絵も見られ、ちょっとした非日常感が味わえますよ。今回ご紹介した、中尾根コース、猫岳・羽鳥峰周回コースは釈迦ヶ岳の魅力をたっぷりと味わえるルートになっているので、ぜひトライしてみてください。