こんにちは、カエルハイカーです。夫婦で登山やキャンプを楽しんでいます。
2022年3月中旬、長野県と群馬県の間にある標高2,404mの黒斑山(くろふやま)に登りました。黒斑山ってあまり聞き慣れない名前ですが、雪山入門の山としてはけっこう有名なんですよ。活火山として今も活動を続ける日本百名山の浅間山(あさまやま)、その外輪山のひとつが黒斑山です。
黒斑山で雪山登山する一番の目的は、雪化粧したガトーショコラのような浅間山を見ること!これに尽きます。往復3〜4時間程度で歩けるので、日帰り登山できるのが嬉しいですね。
3月中旬でしたが、3日ほど前に降雪があり粉砂糖たっぷりのガトーショコラ(浅間山)を見ることができました!
※ここに記載の内容は2022年3月現在の情報です。
[黒斑山] 5つのおすすめポイント
- 雪化粧したガトーショコラのような浅間山が見られる
- 大きな危険箇所がないので雪山初心者にもおすすめ
- 歩行時間が往復3〜4時間程度で日帰り登山が可能
- 登山道から大展望が望める(北アルプス、中央アルプス、八ヶ岳、富士山など)
- 標高2,000mの駐車場まで車で行ける
[黒斑山] アクセス・駐車場・トイレ
アクセス
駐車場のある「高峰高原ホテル」までのアクセスをご紹介します。
<車>
上信越道 「小諸IC」「佐久IC」より約30〜40分
<公共交通機関>
「JR小諸駅」から路線バスまたはタクシーで約40分
(バスは本数が少ないのでJRバス関東株式会社HPで事前にご確認ください)
小諸の街から絶景山岳ロードの「チェリーパークライン」で高峰高原まで一気に駆け上ります。朝早い時間だったので、幸運にも眼下には雲海を望むことができました!道路はしっかり除雪されていましたが、日によってはブラックアイスバーンの危険もあるので、スタッドレスは必須。
駐車場
高峰高原ホテルの駐車場(無料)を利用することができます。目の前が黒斑山の登山口なのでとっても便利。ホテルのトイレも使わせていただけます。
30〜40台ほど停まる駐車場ですが、朝7時半頃にはほぼ満車(三連休最終日)。早めに到着したいところですね。
隣の高峰高原ビジターセンターの駐車場(無料)も利用できます。ただ、冬季は休業中なのでトイレは使えません。
トイレ
高峰高原ホテルの綺麗なトイレを使わせていただけます。登山道や山頂にはトイレがないので必ずここで済ませてから出発しましょう。
トイレの前にある木箱に協力金を入れるシステムになっています。お好きな金額でOK。
[黒斑山] 登山ルートと歩行時間
ルート
高峰高原ホテル前の「車坂峠」を出発し、「槍ヶ鞘(やりがさや)」「トーミの頭」の2つの展望スポットを経て黒斑山山頂を目指します。人気のルートなのでトレース(踏み跡)がしっかりあって安心。
スタートしてすぐに表コースと中コースに分かれますが、どちらも時間はさほど変わりません。ですが、展望は表コースのほうが断然良いので、私たちは往復ともに表コースを歩きました。帰りは中ルートで周回する方も多いですよ。
※表コースと中コースは「トーミの頭」で合流します。中コースの場合、展望スポット「槍ヶ鞘」は通りません。
車坂峠(高峰高原ホテル前)▶︎槍ヶ鞘▶︎トーミの頭▶︎黒斑山山頂▶︎トーミの頭(昼食)▶︎槍ヶ鞘▶︎車坂峠(高峰高原ホテル前)
歩行時間
総歩行時間:約3時間 (休憩除く)
途中、トーミの頭でのランチタイム、山頂での写真撮影などを合わせると約1時間ほど休憩したので、休憩時間込みで約4時間の所要時間でした。
[黒斑山] 登山
高峰高原ホテル〜槍ヶ鞘
出発前に高峰高原ホテルでトイレをお借りしました。暖炉があって素敵なロビーラウンジ。大きな窓からは、八ヶ岳や中央アルプスなど日本の名だたる山が望めます。
双眼鏡と山の名前が分かるシートが置いてくれてありました。
ホテルなのでもちろん宿泊もできますよ。日帰り入浴ができる絶景温泉もあるので登山後にぜひ!
登山バッジもここで買えるのですが、黒斑山のバッジは人気のようで完売していました(泣)
浅間山は活火山のため、万が一の時に備えてホテル入り口には貸し出し用のヘルメットがあります。
高峰高原ホテルの向かいにある赤い鳥居、その左手あたりが登山口。
このバス停の向こう側です。
車坂峠の標識が目印!雪をかき分け強引に登ります。(先陣の方に感謝)
黒斑山登山口になります。ここでアイゼン装着しておくのが◎
最初は平坦な道なので大丈夫かなとアイゼンなしでスタートしましたが、すぐに登りが出てきて坂の途中でアイゼンつける羽目に…。
登山届は高峰高原ホテルで記入して、フロントに提出するようになっていました。冬だから?この登山届ボックスは使用できません。
噴火警戒レベル1なので浅間山(前掛山)にも登れるみたいですね。レベル3になると浅間山はもちろん黒斑山も登山禁止になります。
YAMAPを起動させ、黒斑山へ出発!この日の気温はマイナス10度の予報(山のお天気サイト「てんくら」より)。さっそく足先が冷たい…。
3月中旬ですが、降雪直後なのでたっぷり雪があります。踏み固められたところはカキ氷のように硬い雪質で、何度かアイゼンの歯でつまずきそうに。
それでも残雪期にありがちな踏み抜きや、ズルズルと滑る感じがなく、比較的歩きやすい印象。トレースもしっかりとあるので安心ですね。
緩やかなアップダウンを繰り返し樹林帯を進んでいくと、大きく視界が開ける場所があります。振り返ると、なんと北アルプス、御嶽山、中央アルプス、八ヶ岳まで一望の絶景ビュー!
皆さんここで立ち止まって写真を撮られていました。
穂高連峰、大キレット、槍ヶ岳…憧れの名峰がずらり!遠くからでもその迫力が十分に伝わってきます。この先は東側の展望がメインになるので、北アルプスを堪能するならここが一番のビューポイントですよ。
動画でもお楽しみください!
大展望をお腹いっぱい堪能したら、まもなく前方に黒斑山が見えてきます。遠いけれど山頂が見えると先を急ぎたくなりますね。
うわ!っとここで踏み抜き発見!覗いてみるとけっこう深い空洞。気温が上がってくると雪解けが進み、あちこちに出現します。
左手には日本百名山の四阿山(あずまやさん)。あちらも雪山入門の山として人気があるみたいですね。
モフモフの森へ突入!
黒斑山の登山道は、樹林帯と開けた場所が交互にやってくるので、飽きることなく歩けます。
森の中では見たことのない珍しい植物にも出会えます。夫はこのお化けのような植物が気に入ったようです(笑)
そうこうしていると、ついに浅間山が姿を表しました!頭しか見えてないけどすごい迫力!わずかに噴煙も上がっています。
手前に広がる樹氷の森も幻想的ですね。白とグリーンが織りなすファンタジックな世界はまるで海外の景色のよう。
浅間山の左手には、断崖絶壁の絶景スポット「トーミの頭」から黒斑山までの稜線が一望できます。これから歩いていく道です。
浅間山噴火時の避難用シェルターも、ご覧のとおり雪の中。足跡をたどり中を覗いてみると…
トンネルのようなシンプルな作りになっています。どうか使うことがありませんように。
最初の浅間山展望スポット「槍ヶ鞘(やりがさや)」に到着!登山開始から約1時間30分のコースタイムでした。見事なガトーショコラを堪能しながら、モグモグタイムでエネルギー補給♪
槍ヶ鞘〜トーミの頭
槍ヶ鞘(やりがさや)を出発し、断崖の展望スポット「トーミの頭」を目指します。
ゴツゴツとした岩が作り出すダイナミックな風景は、火山帯ならでは。
トーミの頭までは今日一番の急登です。
振り返ると先ほどモグモグした「槍ヶ鞘」も見えています。遠くには左から八ヶ岳連峰、中央アルプス、御嶽山、北アルプス乗鞍岳の大展望。
トーミの頭に到着!ここが浅間山を綺麗に見渡せる一番の展望スポットです。黒斑山山頂よりココです!断崖になっているので写真撮影の際に滑落しないように注意してくださいね。先月ここで滑落事故があったそうです。
トーミの頭の「トーミ」って何?誰の頭?と思って調べてみたら、遠くまで見える「遠見」が由来だとか…。
浅間山の左側につながるのが外輪山。その後ろには遭難者数世界一と言われる谷川岳を有する谷川連邦まで見渡すことができます。さすがトーミ(遠見)の頭!
トーミの頭〜黒斑山山頂
さ、黒斑山の頂を目指してラストスパート!ここからは山頂までは樹氷パラダイスですよ。
黒斑山まで残り0.4km。わりと近いですね。
真っ白な世界。
2,404m、黒斑山山頂到着!登山開始から約2時間20分のコースタイムでした。
山頂はスペースもそれほど広くないので写真を撮ったら即撤退。トーミの頭まで戻ってランチ休憩することにしました。
体力のある方は、さらに外輪山の蛇骨岳方面へと足を伸ばすこともできます。
季節外れですが樹氷のクリスマスツリーが綺麗ですね。
自然が作り出すオーナメント。
トーミの頭の直前で中コースへの分岐があります。私たちは帰りも表コースで歩きましたが、周回したい方はここから中コースへ。樹林帯中心のコースになります。
トーミの頭でランチタイム。浅間山の絶景を見ながらカップヌードルなんて最高に美味しいに決まってます。
下山はいつも通りサクッと。下山になると急激にスピードアップする夫。
登山口まで戻ってきました。休憩込みで約4時間のコースタイムでした。YAMAP終了し、お疲れ山!
まとめ
浅間山のガトーショコラ、北アルプスの大展望、樹氷の森と、冬の黒斑山は見所たっぷりでした。往復3〜4時間で歩けるので雪山入門にもおすすめですよ。