こんにちは、カエルハイカーです。夫婦でくだらない話をしながら山を歩くのが好きです。
2019年11月、はじめての登山に選んだ山が滋賀県大津市にある金勝(こんぜ)アルプス。私が登山にはまるきっかけになった山です。
初心者でもチャレンジできる山
という条件で探していたところ、ふと目にした大人のアスレチックという言葉に惹かれ、登った方の口コミを読むとすごく楽しそうだったんです。初心者が必ず登山を好きになる場所と書いてあったのも決め手でした。
初めての登山となると、登山道がしっかり整備されていて歩きやすい山を選ぶ方が多いと思います。でも逆に初めての登山だからこそ多少足場が悪くてもワクワクする山へいきたいと思ったんです。これから登山を続けていきたいと思えるような山が!(もちろん下調べはきちんとして大きな危険箇所がない山を選びました)
金勝アルプスはそんな条件にぴったりでした。ジャングルのような茂みをかき分け、岩を登り沢を歩き、奇岩・巨岩の中を抜けていく、登山というよりは冒険をしているようでワクワク感満載の山でした。
今日は初心者だけどちょっとだけチャレンジした山に登ってみたいという方におすすめの金勝アルプスをご紹介します。登山装備の注意点なども書いていますので少しでも参考になれば嬉しいです。
※ここに記載の内容は2019年11月現在の情報です。
初めての登山はこんな装備で行きました
ザックもウェアも靴も登山用のものは持っておらず、とりあえず家にあるものの中から一番それっぽいものを身につけて挑んだ今回の初登山。
登山装備の知識もほとんどなく、とりあえず服装なんてなんでもいいから早く山に登りたい!と意気込んでいたのを思い出します。
帽子・・・家にあったキャップ
インナー・・・ユニクロのヒートテック
半袖Tシャツ・・・ハーフマラソンに出た時のチャリティTシャツ
スカート・・・街着のスカート(ストレッチなし)
スパッツ・・・ユニクロのヒートテック
防寒着・・・コロンビアのフリース
靴・・・KEEN(キーン)の靴(軽いハイキング用に買ったもの)
リュック・・・街用リュック
サコッシュ・・・グレゴリー
時計・・・Gショック
特に赤字で書いた部分が反省点!
今思えばかなり軽装で行ったなと思います(笑)山を舐めていると怒られるかもしれません。それから山へ行くたびに先輩方の服装を見て勉強し、きちんとした登山装備を少しずつ揃えるようになりました。
最初に見直したのは下記の4つのポイントです。
ザックはウエストベルトやチェストストラップのついたものに変更!
今回の金勝アルプスは体全体を使って登る場面が多く、ザックの揺れやショルダー部分のずれ落ちが気になり、余計なところに気を使うことですごく疲れました。ザックがしっかり体に固定されるよう、ウエストベルトやチェストストラップが付いたものだと疲れにくいです。
登山用スカート(ストレッチ有)とパンツを購入!
足を大きく上げて登る岩場や渡渉箇所ではストレッチの効いていないスカートはめちゃくちゃ動きにくかった。私のように街用スカートで行く人はさすがにいないと思いますが、アクロバティックな動きが必要とされる山ではやはりスカートよりパンツがベストです!
靴は防水、ミドルカットのものに!
渡渉箇所が多い山では水量によっては靴が濡れてしまうことがあります。靴の中まで水が浸透すると不快感を伴うだけでなく体全体が冷えやすくなってしまいます。できればゴアテックスなどの防水素材で、くるぶしの上まであるミドルカットの登山靴だと安心です。
インナーは汗抜けの良い高機能のものを着用!
登山は冬でも歩き始めるとすぐに汗をかきます。寒いと思ってヒートテックをインナーに着てしまうと、汗が乾きにくいため休憩時に汗冷えを起こし体調を崩しかねません。登山では汗が乾きやすい吸湿速乾のインナーが基本ということを後から知りました。冬場なら吸湿速乾性と高い保温性を兼ね備えたメリノウールが人気の素材です。
ある程度登山経験のある方なら当たり前のことだと思いますが、初心者のうちは知識も経験も少ないので軽装備で行ってしまいがちですよね。山にはいろんな危険があるので、しっかりとした装備で安全に登山を楽しみたいものです。
[金勝アルプス] 5つのおすすめポイント
- 岩登り、沢歩き、ロープ、鎖場など低山ながら変化に富んだ山歩きが楽しめる
- 奇岩・巨岩の中を抜けていく稜線歩きが面白い
- ハイライトの天狗岩から琵琶湖の絶景が見られる
- 山中に残る奈良時代〜鎌倉時代にかけての史跡が見られる
- 多彩なルートで何度も楽しめる
[金勝アルプス] アクセス・駐車場
アクセス
金勝アルプス登山の起点となる一丈野駐車場までのアクセスをご紹介します。
<車>
名神高速「草津田上IC」から約15分
(大阪方面より約60分、名古屋方面より約90分)
<公共交通機関>
JR草津駅から帝産バスで約30分(終点上桐生で下車)
駐車場
登山口の上桐生にある「一丈野駐車場」を利用します。1回700円の有料駐車場でトイレもあります。
[金勝アルプス] 登山ルートと歩行時間
今回のルート
一丈野駐車場をスタートし、落ヶ滝線から北峰縦走路に入り、狛坂線を通り南谷林道で戻ってくるという多くの方が歩かれている定番の周回ルートです。
一丈野駐車場(08:30)▶︎落ヶ滝▶︎天狗岩▶︎耳岩▶︎国見岩▶︎狛坂磨崖仏▶︎逆さ観音▶︎オランダ堰堤▶︎一丈野駐車場(14:00)
黄色マーカー部分が今回のルートです。(地図クリックで拡大)
地図はこちらからダウンロードできます→栗東市観光協会HP
今回は初めての登山で時間配分の不安もあり、鶏冠山と竜王山の山頂へは行かないという選択をしました。(鶏冠山と竜王山からは景色が楽しめないという噂もあったので・・・)
一番の見どころである天狗岩まで行って帰ってくるのが目標です!
各所に道標があり迷うことはありませんでした。
分岐がたくさんありますが、ロープや鎖を設置してくれていて安心。
大きな岩や登りにくいところにはコールポイントがたくさん設置されていて安心。
万が一の時、救助を求める際に場所を伝える歩行時間
総歩行時間:約5時間30分(休憩含む)
休憩時間は合計しても1時間弱だったと思うので実際に歩いた時間は4時間半ぐらい。初めての登山にしてはなかなか頑張ったと思います。
下山時はヘトヘトで膝が笑っていました。もし鶏冠山と竜王山へ行っていたら相当きつかったと思います。行かない選択をして大正解でした。
[金勝アルプス] 見どころ
ジャングルのような密林歩きと渡渉
スタートして序盤にやってくる見どころが、
・ジャングルのような登山道
・何度も沢を渡る渡渉箇所
・冒険心をくすぐる落ヶ滝
大きなシダが両側に生い茂り、まるで南米のジャングルを探検しているような気分!シダに飲み込まれそうで圧倒されます。
「えー、こんなところ行くの?!大丈夫?」と言いながらも楽しくて仕方ありません!
渡渉箇所もありますが、飛び石を渡っていくので濡れることはありませでした。
途中、ルートから少し外れて5分ほど行ったところにあるのが落ヶ滝。標識があるので見落とすことはありませんでした。1つ目のチェックポイント的な感じです。
水量は少ないですがゴツゴツした感じがワイルドで、USJのあのアトラクションを思い出します。
水が少ないのでこんなに近くまで近づけました。
こちらは大きな岩盤の上を歩いていきます。岩盤の上に沢が流れていて、庭園のようにも見えます。
ロープを使ってはじめての岩登り
低山ながらアクロバティックな岩場を体験できるのも金勝アルプスの醍醐味!ロープを使ってゴツゴツした岩盤を乗り越えていきます。
岩場と言っても難易度は低いので初心者でも大丈夫でした。
初めてのロープに大興奮!なんか指差してる(笑)どっちから登るかの確認?
こういうロープは補助的に使うものらしいですが、さすが初心者思いっきりロープを掴んで登っています(笑)
ベテランの方はロープに触ることもなくサスケのようにヒョイヒョイっと登って行かれました。
大きな岩盤をよじ登るような岩場がいくつかあります。この写真けっこう急に見えませんか?怖そうですよね。でも登ってみると意外と大丈夫でした!
岩場が終わると北峰縦走線に合流します。ここを左に進むと鶏冠山ですが、今回は行かないので右へ進み天狗岩を目指します。
奇岩・巨岩の稜線歩きとハイライトの天狗岩
稜線に出ると一気に景色が開けました。琵琶湖と大津市の街並みが綺麗に見えています。
それにしてもすごい景色!仙人か天狗が住んでそうな世界。奇岩が林立する姿が中国の世界遺産「武陵源」に少し似ています。
中国の武陵源⬇︎
あれ?あんまり似てない?^^;
こういうところがあったら覗いてみたくなりますよね。この間を抜けられるかと思いきや、覗いたら崖でした。
奇岩の間をすり抜けていくような道がもっとたくさんあったのですが、写真を撮り忘れてお伝えできないのが残念すぎます。
ついに目標の天狗岩まで来ました!
ピンクテープを目印に登っていきます。ここはけっこう急なのでロープが設置されていました。重たいザックは下に置いて登る方もいらっしゃいました。
天狗岩の上から!端まで行くと怖すぎて足がすくみます。
遮るものがなく噂通りの素晴らしい大展望!気持ちいいー!
この鎖を降りる勇気はありませんでした。降りれたところで戻ってこれる自信がないです。ここはルートではないので行かなくてもOK。というか初心者はいかない方がいいです(^^;)
一番先端のところに仙人のような人が!あの人と同じことしたら帰れないよと誰かが言っていました。
行ってみたいな〜と思っていた矢先、蜂に襲われて死ぬかと思いました。こんな岩場の逃げ場がないところで命の危険を感じました。初心者が調子に乗ってこれ以上進んだら危ないよという警告だったんだと思います。
山中に突如現れる奈良時代の仏像
天狗岩からはほぼ下りですがすでに膝が笑っていました(笑)今にも落ちてきそうな大きな岩の間を抜けて冒険は続きます。
どんどん下っていくと突如遺跡のようなものが!密林のジャングルに眠る古代遺跡発見?!この雰囲気ちょっとカンボジアのアンコール遺跡に似てる?!(いちいち何かに例えたがる)
なんとこんな山の中に巨大な仏像が現れました!高さ6mもある狛坂磨崖仏(こまさかまがいぶつ)です。この辺りは昔山岳仏教が栄えた場所ということもあり、その名残が山中に残っています。
如来像、菩薩像を中心にして周りに小さな仏像が9体彫られています。奈良時代に新羅系の渡来人によって彫られたと言われていますが、はっきりとしたことは分かっておらず真相は謎に包まれているのだとか。奈良時代に作られたものがこんなに綺麗な状態で残っているなんてすごいですよね。
今度は逆さまになった観音様が!逆さ観音というそうです。そのまんまですね。鎌倉時代初期に作られたものだそうです。
なんで逆さま?その理由もいろいろあるそうですよ。詳しくは現地で!
[金勝アルプス] 注意点
こんなに楽しい金勝アルプスですが、一番気をつけなければならないのは
楽しすぎて冷静さを失う!
ということ。
私たちも現地へ行くまでは「初めての登山だから無理はしないでおこう」と思っていました。
だけど実際に歩き出したら、ジャングルのような道やロープでの岩のぼり、奇岩の中を抜けていくワクワク感が想像以上に楽しくて、天狗岩に着いた時もクライマーズハイ状態でベテラン勢だけが行くような少し危険な岩場に行こうとしていました。(蜂に襲われて冷静さを取り戻しましたが)
しかもそこがベテラン勢だけが行くような場所ではなく、ここに来たらみんな当然のように行くものだと思い込んでいたんです。
金勝アルプスは基本は初心者でも歩ける登山道になっていますが、中・上級者向けの危険な岩場もあったりします。他の登山者が行っているからといって、自分が行ける場所とは限りません。特に初めての登山だと知識がないので、判断を誤ってしまうこともあります。
怖いな、危険そうだなと思ったらやめておくという勇気も必要だなと思いました。もちろん何度か経験を積んで慣れてきたらステップアップしていけば良いと思います。
まとめ
滋賀県の隠れた名山金勝アルプス、いかがでしたでしょうか?初心者が必ず登山にはまる場所という噂通り、私たちもまんまと登山にはまってしまいました。どの山に登ろうか迷われている方はぜひ訪れてみてくださいね。