こんにちは、登山歴1年のカエルハイカーです。夫婦で登山やキャンプを楽しんでいます。
2020年8月初旬、長野県にある中央アルプス木曽駒ヶ岳(きそこまがたけ2,965m)に登りました。登山を始めて9か月、念願のアルプスデビューを果たしました!
日本三大アルプスといえば、北アルプス、中央アルプス、南アルプスですが、木曽駒ヶ岳は中央アルプス(木曽山脈)の最高峰の山!
「アルプスって憧れる!だけど標高が高い山ばかりで、初心者でも登れるのか心配・・・」そんな方にぜひおすすめしたい山なんです。
その理由は下記の3つ。
歩行時間が4時間ほどで日帰り登山が可能
高山ならではのダイナミックな景色が楽しめる
今回は大阪からの遠征登山なので、木曽駒ヶ岳登山の起点となる「菅の台バスセンター」で前夜泊(車中泊)するプランで行ってきました。
※ここに記載の内容は2020年8月現在の情報になります。
【木曽駒ヶ岳】 7つのおすすめポイント
- ロープウェイを利用して一気に登山口のある2,612mまで行ける
- 総歩行時間約4時間と初心者でも挑戦しやすい
- 富士山、南北アルプス、御嶽山が一望のダイナミックな景色が楽しめる
- 高山植物の宝庫千畳敷カールのお花畑を散策できる
- 日帰り登山が可能
- 登山道にトイレが多く安心
- 日本百名山、花の百名山、中央アルプス最高峰
【木曽駒ヶ岳】 アクセス・駐車場・トイレ
アクセス
まずは、木曽駒ヶ岳登山の起点となる「菅の台バスセンター」までマイカーか公共交通機関で移動。菅の台バスセンターから先はマイカー規制のため、バスと駒ヶ岳ロープウェイを乗り継いで登山口のある「千畳敷」へ向かいます。
<車>
中央自動車道「駒ヶ根IC」から約3分
(大阪方面より約4時間、東京方面より約3時間)
<公共交通機関>
JR飯田線「駒ヶ根駅」から路線バスで約15分
(菅の台バスセンターで下車せずそのままロープウェイ乗り場のある「しらび平」まで行くこともできます。その場合約45分)
菅の台バスセンター→しらび平
(路線バスで約30分)
しらび平→千畳敷
(駒ヶ岳ロープウェイで約7分)
チケット料金:4,200円(往復/大人1名)
駐車場
菅の台バスセンターの駐車場に止めることができます。約350台止まる大きな駐車場ですが、登山シーズンには朝から満車になることも!
それが怖くて私たちは前日の夜から菅の台バスセンターで車中泊しました。徒歩5分のところに温泉(こまくさの湯)もあって便利ですよ。
料金:800円(1日)
収容台数:約350台
営業時間:24時間
トイレ:あり(24時間)
トイレ
木曽駒ヶ岳登山は、トイレが充実しているのも嬉しいポイント!
①菅の台バスセンター(駐車場)
②しらび平駅(駒ヶ岳ロープウェイ乗り場)
③千畳敷(登山口)
④登山道に3か所(宝剣山荘、天狗荘、頂上山荘)
菅の台バスセンター駐車場のトイレは24時間利用できるので、車中泊の時も安心ですね。
登山道のトイレ(宝剣山荘、天狗荘、頂上山荘)は1回200円の有料です。小銭を忘れずに持参しましょう。
【木曽駒ヶ岳】登山ルートと歩行時間
今回のルート
今回のルートは、最も多くの方が登られている王道ルートです。
初アルプスということもあり岩山の宝剣岳はスルーします。地図に「危」のマークがあるし、岩壁を鎖で伝うところもあるみたいで初心者にはちょっと怖そうだなと。
千畳敷駅▶︎八丁坂▶︎乗越浄土▶︎中岳▶︎木曽駒ヶ岳▶︎中岳▶︎乗越浄土▶︎八丁坂▶︎千畳敷駅
下記地図の赤線ルートです↓
歩行時間
総歩行時間:約4時間(休憩含む)
登山口から山頂までは約2時間で登れます。帰りは1時間ほどで戻ってこられるので、休憩時間を入れても行動時間は4時間ぐらいです。
歩行距離は約4kmと短めですが、序盤にやってくる心臓破りの八丁坂でかなり体力を消耗します。2,500mを超える高地では酸素が薄いためすぐに息が上がり、低山の4kmと同じようにはいきません。高山病にも注意が必要ですね。
私は最初にハイペースで歩きすぎて、頂上手前で軽い高山病になりました。なんとか登頂しましたが、翌日まで頭痛が治りませんでした。
【木曽駒ヶ岳】登山
菅の台バスセンターで車中泊
駒ヶ根インターから車を走らせること約3分、菅の台バスセンターに到着したのは18:30頃。
マイカーで行けるのはここ菅の台バスセンターまで。ここより先はマイカー規制で一般車両は通行禁止。今日はここで車中泊して、明日の朝にバスとロープウェイを乗り継いで登山口がある千畳敷駅へ向かいます。
駐車場は思いのほか空いていて到着時は半分弱の埋まり具合。コロナの影響で例年より少ないのかな?と思っていたら、朝になるとほぼ満車でした。
端っこの涼しそうな場所をゲット。ドアを開けてびっくりしたのが、8月の真夏なのに外は肌寒いぐらい涼しい!ここで標高850mあるそうです。
さすが山奥やな~、夜寒くて眠れんかったらどうしよー!とか言ってたら夜中暑すぎて車の扉全開でした(笑)夕方のあの肌寒さはなんやったんやろ。
暗くなる前に車中泊の準備を整え、徒歩5分のところにある温泉「こまくさの湯」までぶらぶらお散歩がてら歩いていきました。
途中「ガロ」という大きな看板が!こちらは駒ヶ根名物ソースかつ丼のお店です。すごく有名なお店なので是非下山後に立ち寄りたいですね。(私たちは「明治亭」に行きましたが、どちらも有名です)
あっという間に「こまくさの湯」に到着。露天風呂から中央アルプスの山々が見える素敵な温泉ですごくおすすめですよ。
こまくさの湯の詳細はこちら
温泉で温まったら、明日に備え早めに就寝。おやすみなさいzzz
菅の台バスセンター〜千畳敷
翌朝04:00起床。車中泊であまり眠れず、ほぼ不眠状態で朝を迎えるという最悪のコンディションですが、なぜかハイテンション(笑)初めてのアルプスにワクワクが止まりません!
今からチケットを買って登山口のある千畳敷を目指します!
菅の台バスセンターから先はマイカー規制で一般車両は通行できないため、バスと駒ヶ岳ロープウェイを乗り継いでいきます。
菅の台バスセンター→しらび平
(路線バスで約30分)
しらび平→千畳敷
(駒ヶ岳ロープウェイで約7分)
チケット料金:大人 4,200円(往復)
早朝からここに長〜い行列ができます。窓口でチケットを買ってからバスの列に並びますが、バスの列にザックを並ばせておいてチケットを買いに行く人もいました。
バスは通常30分に1本のところ、ピークシーズンということもあり臨時便が出ていて割とスムーズに乗れました。
30分ほどでしらび平に到着。ここで標高1,662mあります。
駒ヶ岳ロープウェイに乗り換えて千畳敷を目指します。
標高2,612mの千畳敷まで約7分。約1,000mの標高差をたった7分で登ってしまうなんて、初心者にはありがたいセレブ登山ですね(笑)
朝6時30分、千畳敷に到着。こんな早い時間にこんな標高の高いところにいるのは生まれて初めてかも。
千畳敷駅は日本で一番高いところにある駅です。
ロープウェイを降りると、いきなりの絶景!こんなに美しい雲海が見られるなんて、早起きした甲斐がありました。
雲海に浮かぶ富士山と南アルプスの山々、どれがなんていう山かこの時はまったく知りませんでしたが富士山だけは分かりました(笑)写真では見えづらいですが、ちょうど真ん中あたりにうすーく見えているんです!クリックして拡大してみてください。
表にまわると、またもや絶景!ダイナミックな山の姿が視界いっぱいにドーンと飛び込んできました!こちらが有名な千畳敷カールです。すごい迫力!
高くそびえている険しい岩山が宝剣岳です。木曽駒ヶ岳はまだまだ見えませんよー。
偉大な自然の中では自分がとてもちっぽけに思えます。
カールとは約2万年前に氷河によって削り取られたお椀型の地形のこと。千畳敷カールは畳千畳分の広さがあることから名付けられたそうです。
千畳敷で高度順応
さあ、早速登山開始!
といきたいところですが、ちょっと待ってください!
ロープウェイで千畳敷に着いたらすぐに登り始めるのは危険!なぜならここは標高2,500mを超える高地、まずは体を高所に慣らすため千畳敷で30分~1時間ほど滞在して高度順応します。これを怠ると高山病のリスクが高くなります。
カフェで休憩したりお花畑を散策したりやることはたくさんあるのですぐに時間が経ちました。
目の前に広がる雲海と南アルプスの山々を見ながら絶景のコーヒータイム。テーブルに山の位置と名前が書いたシートが貼られているので、実際の山と見比べてみると面白かったです。
日本の標高トップ3の山を一度に見ることができますよ。
お花畑には可愛い高山植物がたくさん咲いていました。これは多分ミヤマキンポウゲ。シナノキンバイと似ていてどっちがどっちか分かりません(笑)少しずつ花の名前も覚えていきたいな。
登山スタート
しっかり高度順応できたら、駒ヶ岳神社にお参りして登山スタート!
スタートして序盤はアップダウンの少ないハイキングコースを歩いていきます。高山植物の「私を見て」アピールがすごくてなかなか前に進みません。
まるで絵のような世界。真ん中に見えるのは剣ケ池で遊歩道を周回していくことができます。
ジュラシックパークに出てきそうな景色。
遊歩道とお別れして登山道の方向へ。コース一番の難所である心臓破りの八丁坂を登っていきます。
つづら折りの道を延々と登っていきます。
それにしてもすごい景色ですね。日本とは思えない、スイスにいるような気分♪
こんなに美しい風景の中を歩けるのは最高に幸せだけど、体のほうは悲鳴を上げ始めました。息が上がって脈拍が異常な早さ・・・。さすが心臓破りの坂と言われるだけあります。
振り返るとこの景色!サイコー!
雲海の向こうに富士山も南アルプスもはっきりと見えています。
だいぶ上まで登ってきました。スタート地点のホテル千畳敷がはるか遠くに見えます。
きついー!もう無理ー!と弱音を吐きながら一歩一歩登っていきます。
この梯子のところまで来たら中間地点の乗越浄土まであと少しです!
乗越浄土(のっこしじょうど)到着!まさに極楽浄土のようです。八丁坂、めちゃくちゃきつかったです。心臓破れかけました(笑)
ここで10分ほど休憩。
乗越浄土を出発して中岳を目指します。さっきまでの苦行のような山登りとはうって変わり、天空の稜線歩きの始まりです。
後ろに見えている山は伊那前岳(いなまえだけ)です。帰りに時間があれば行こうかなと思っていましたが、時間も体力も残っていませんでした。
水色屋根の小屋が宝剣山荘で、右側の赤い屋根は天狗荘。
天狗荘は宿泊のみですが、宝剣山荘には売店、食堂、トイレがあって休憩できます。ソフトクリームがめちゃくちゃ美味しそうでした!
山のトイレは基本有料なので小銭を多めに準備しておくと便利です。宝剣山荘、天狗荘ともに200円です。
宝剣山荘の横が宝剣岳の取り付きになっています。宝剣岳は中級者向けなので今回はスルーしましたが、いつかチャレンジしてみたい!
宝剣岳と繋がるように天狗岩がありました。天狗の横顔?
この辺りは平坦な稜線が続くので気持ち良く歩けます。
ケルン、好きです。積んだことはありませんが、帰りに見たら形が変わっていました。
ケルンは山頂や登山道の道標として石をピラミッド型に積んだものです。登山ルートが正しいことを示しています。山で亡くなった方の慰霊のモニュメントとして作られている場合もあるそうです。
南アルプスの後ろに富士山が綺麗に見えています。右の窪んだところが千畳敷カールを登りきった乗越浄土です。
木曽駒ヶ岳の前に、中岳山頂を目指します。
大きな石がゴロゴロしているのでそれなりにしんどいです。
2,925m中岳山頂。木曽駒ヶ岳とほぼ変わらない標高で、360度の素晴らしい展望が楽しめます。
中岳山頂からの景色です!
これから登る木曽駒ヶ岳が目の前に、その後ろに木曽前岳、雲の間から少し顔を覗かせているのは御嶽山です。水色屋根の小屋は頂上山荘でその前がキャンプ場になっています。
中岳を下りきったあたりにキャンプ場があります。中央アルプスで唯一のテント場だそうです。ここでテント泊したら朝日や夕日、星空を楽しむこともできて最高でしょうね。
今度来た時は絶対テン泊しよう!と意気込んでいた矢先、頭痛と吐き気がピークに。
実は中岳を登っている時からちょっと頭痛があって、嫌な予感はしてたんですけど、軽い高山病になりました。
前日の車中泊での睡眠不足、息が上がるほどのペースで歩いてしまったことが原因かなと思います。
これからはちゃんと高山病対策をして登ろうと思いました。
高山病対策については立山の記事で書いていますので参考にしてみてください↓
高山病でブルーになっていたところ、人だかりができていたので近づいてみると、なんと雷鳥がいました!
中央アルプスでは絶滅したと言われている雷鳥がなぜ?
後々調べてみると、北アルプスの乗鞍岳から昨日ヘリで2組の雷鳥の家族が移送されてきたそうです。中央アルプスに野生の雷鳥を復活させようという雷鳥復活プロジェクトが行われているのだとか!
環境省の職員の方々に見守られながらお散歩中でした。親鳥の背中を追いかけるヒナたちの姿がとってもかわいかったです♡
しばらくケージの中で過ごした後、自然に放たれるそうです。どうか天敵から逃れここで生き抜いてくれますように!
雷鳥に会えた喜びで高山病のことを忘れていました。この勢いでラスボスの木曽駒ヶ岳へ!
関西弁のおばちゃんたちが大声で呼んでいるので行ってみると、「コマクサ」が咲いていました!高山植物の女王様です。
これはまだ蕾でこれから咲くのだとか。咲いた姿はハートの妖精みたいでめちゃくちゃかわいいです。手前に一つだけ咲いてるのがありますね。
危うくスルーしてしまうところだったので、おばちゃんに感謝!
頂上が近づいてきました。ここまできたら後はもう気合いで登るだけ!
2,956m木曽駒ヶ岳登頂!!!
登山開始からたった2時間ですが、ものすごく長く感じました。
山頂の木曽駒ヶ岳神社へお参りします。
山頂からは360度どこを見ても絶景です!寒さと高山病で長居はできませんでしたが、綺麗な景色を見ながらおにぎりを食べて下山しました。
立ち寄りスポット
温泉(こまくさの湯)
下山後や車中泊の際におすすめなのが「早太郎温泉 こまくさの湯」。菅の台バスセンターから徒歩約5分で行けるので気軽に立ち寄れます。
露天風呂から中央アルプスの山々が見える素敵な温泉で、ついつい長風呂してしまいました。
温泉の名前にある「こまくさ」は高山植物の女王様!ぜひ木曽駒ヶ岳の登山道で探してみてください。とっても可愛くて珍しい形をしたお花ですよ。
料金:大人610円
営業時間:10:00~21:00(入館締切20:00)
休館日:第2・4水曜(祝日は営業)※11~3月は毎週水曜休館
駐車場:あり
TEL:0265-81-8100
※タオル、バスタオル販売あり
※食堂、売店あり
お得な割引情報
公式ホームページのトップページを携帯端末などで提示するだけで、お一人様560円(50円引き)で入浴できます。
公式HP:www.komakusanoyu.com
グルメ(名物ソースかつ丼)
下山後のお楽しみは駒ヶ根名物ソースカツ丼!これだけは絶対食べると最初から決めていたのですごく楽しみにしていました。
この辺りで特に人気があるのは「明治亭」と「ガロ」です。どちらも菅の台バスセンターのすぐ近くにあるので便利ですよ。
私たちは駒ヶ根インター近くの明治亭本店へ伺いました。(菅の台バスセンターの店舗はラストオーダーが終わってたので・・・)
千切りキャベツが見えないほど大きなカツがドーンと乗ってきます。
そしてこのソースがめちゃくちゃ美味しいんです!甘みと酸味が絶妙なバランスで、さらっとしたソースなのにコクがある!ソースだけの販売もあるのでお土産に買って帰りました。
カツ丼といえば卵でとじたものを想像しますが、この辺りの地域ではご飯の上にキャベツを敷き、その上に秘伝のソースにくぐらせたボリューミーなカツを乗せたものがカツ丼と言われています。
営業時間:11:00〜20:30
定休日:無休
駐車場:あり
TEL:0265-83-1115
公式HP:http://www.meijitei.com
まとめ
人生初のアルプス登山に木曽駒ヶ岳を選んで本当に良かったです。
雲海の絶景から始まり花の千畳敷カール、ダイナミックな山岳風景や見たことのない高山植物まで、夏山高山の素晴らしさを思う存分味わうことができる山でした。
今回は高山病でしんどい思いもしましたが、それもまた良い経験。今度はテント泊で来ようと誓いました。中央アルプスに復活したかわいい雷鳥の親子に出会えることを信じて・・・。