こんにちは、登山歴3年半のカエルハイカーです。夫婦で登山やキャンプを楽しんでいます。
2023年8月のお盆休み、北アルプス・後立山連峰にある唐松岳(標高2,696m)に登りました。実は、昨年9月にもチャレンジしたのですが、体調不良と時間切れで途中リタイアという無念の結果に終わり、今年は念願のリベンジを果たしてきました!
唐松岳の最大の魅力は、とにかく景色が素晴らしいこと!八方池に映る白馬三山の鏡のような絶景、色とりどりの高山植物、そして山頂からは北アルプスの名峰、立山・剱岳を望む360度の大展望が広がります。
標高約1,800mまでゴンドラとリフトで行けることから、アルプス初心者向けの山として、日帰り登山が可能とされている唐松岳。ですが、実際はのんびりしていると日帰りはけっこう大変だと感じました。というのも、帰りのリフトの最終時間があるからです。
日帰りで登頂するポイントとしては、標高1,500mの黒菱駐車場で車中泊して、早朝から登り始めることです。7月中旬〜10月中旬の週末は、早朝からご来光リフトが運行しているので、早起きすれば4:30〜5:00頃からスタートでき、日帰りでもゆっくりと唐松岳を楽しめます。
この記事では、唐松岳登山に必要な情報を、初めて挑戦する方にも分かりやすくまとめています。車中泊情報や日帰り登頂のポイントもぜひ参考にしてくださいね。
※ここに記載の内容は2023年8月現在の情報です。
【唐松岳】5つのおすすめポイント
- 八方尾根コースで日帰り登山が可能
- 八方池では白馬三山が水面に映る鏡のような絶景が見られる(天候次第)
- 夏は300種類以上の高山植物が楽しめる
- 山頂からは北アルプスの名峰立山・剱岳を望む360度の大展望
- 唐松頂上山荘があり、小屋泊・テント泊もできる
【唐松岳】アクセス・駐車場・トイレ
アクセス
登山口がある「八方池山荘」までのアクセスです。
上記地図のルート①②、大きく分けて2パターンあります。
マイカーの方はルート②がおすすめ。山腹の黒菱駐車場で車中泊することで、少しでも早い時間から登山を開始できるからです。黒菱駐車場から出ているリフトは、7月中旬〜10月中旬の週末は早朝4:30〜5:00頃からご来光リフトが運行しているので、余裕を持ってスタートできます。
ご来光リフトは一つ上の黒菱平までしか行かないので、そこから先は徒歩で八方池山荘(登山口)へ向かいました。整備されたトレキングコースを歩いて30分ほどで到着できます。ご来光を見ながらの登山は最高ですよ!
平日はリフトの運行開始時間が遅いので、黒菱駐車場から八方池山荘(登山口)まで歩いて向かうのもありだと思います。徒歩1時間ほどで歩けます。
公共交通機関の方は①のルートで、麓の白馬村(八方駅)からゴンドラとリフトを乗り継いで八方池山荘を目指しましょう。体力に自信のない方は、できるだけ始発のゴンドラに乗れるように頑張ってください。
車中泊できる駐車場
マイカー利用の場合、山腹の黒菱駐車場が車中泊スポットとなります。
黒菱駐車場は、約200台ほど駐車スペースが確保されており、無料で利用できます。
水洗トイレもあるので安心ですね。
休日は早朝から満車になるので、前日の夜に到着しておくのがおすすめ。私たちは前日(山の日で祝日)の19:00頃に着きましたが、4割ほどの埋まり具合でした。
黒菱駐車場は標高が約1500mあります。夏でも夜は肌寒いので防寒をお忘れなく!
万が一、黒菱駐車場が満車だった場合、白馬村にある「道の駅 白馬」と「サンサンパーク」の駐車場が24時間開放されています。ただし、道の駅白馬は公式サイトによると宿泊目的での利用は禁止されています。仮眠はOKのようですが…。判断は自己責任でお願いします。
台数 | 八方ゴンドラ乗り場までの所要時間 | 備考 | |
道の駅 白馬 | 32台 | 車で約10分 | ※トイレあり |
サンサンパーク | 36台 | 車で約10分 | ※トイレあり |
トイレ
登山口の八方池山荘から先、トイレが全部で3か所あります。
料金 | トイレットペーパー | 備考 | |
①八方池山荘のトイレ | チップ制 (気持ち) | あり | ー |
②第2ケルンのトイレ | チップ制 (気持ち) | あり | ※八方池山荘から約50分 |
③唐松頂上山荘のトイレ | チップ制 (300円) | あり | ※八方池山荘から約3時間 |
【唐松岳】登山ルート・所要時間
《今回のルート》八方尾根ルート
八方池山荘から山頂を目指しスタート!八方尾根コースは大きな危険箇所がなく、北アルプス初心者の方でも挑戦しやすい大人気のルートです。歩くペースにもよりますが、山頂までは途中休憩を入れて4時間半ほどで到着できました。迷うような場所はありませんでした。
黒菱駐車場から登山口の「八方池山荘」までは、早朝運行のご来光リフト+徒歩で向かいました。
八方池山荘から絶景スポットの「八方池」までは、徒歩で1時間30分ほど。木道が整備されている箇所が多く、歩きやすいトレッキングコースになっています。八方池から先は本格的な登山道になるので、登山装備が必要です。
所要時間
スタートしてから下山までの所要時間です。
■合計所要時間:約10時間
歩行時間:約7時間30分
休憩時間:約2時間30分
【唐松岳】登山
黒菱駐車場〜八方池山荘(登山口)
早朝4時30分、ご来光リフトが動き出しました。暗闇の中、続々と人が集まってきます。リフト乗り場が駐車場に隣接しているのが便利ですね。
窓口で「ご来光リフト特別券」を購入。大人往復1,500円で、往路「黒菱駐車場→黒菱平」、復路「八方池山荘→黒菱駐車場」がセットになっています。
早朝の時間は「黒菱平」までしか運行していないので、黒菱平から八方池山荘までは歩いて向かいます。(徒歩約30分)
約7分の空中散歩であっという間に黒菱平へ。
リフトを降りると、すぐ右手に「雲海デッキ」があります。
この日は残念ながら雲海は出現しませんでしたが、ご来光待ちの人でデッキは大混雑….。
振り返ると…あら、もう白馬三山見えちゃった^^;朝焼けでほんのりピンク色に染まった姿が素敵です。
デッキは人で溢れていたので、ご来光を待たずに出発。
オリンピックのスタートハウスの向かいに、八方池山荘へと続くトレッキングコースの入り口があります。
八方尾根は1998年に、長野オリンピックでスキーの滑降が行われた場所で、当時の面影が残っています。
トレッキングコース入口。ここから登山アプリYAMAPも起動して登山スタート!
少し登ったあたりでご来光が!雲海デッキでご来光待ちしなくても、ちゃんと途中で見ることができました。
左手には朝日に輝く鹿島槍ヶ岳、五竜岳。名峰を眺めながらの早朝トレッキングは最高に気持ちいい〜。赤い屋根が見えたら八方池山荘はもう目の前。
黒菱平から約30分で八方池山荘に到着!ウォーミングアップにちょうどいい距離でした。
八方池山荘にはトイレや自販機、売店があります。売店は早朝の時間帯は閉まっていますが、下山後にソフトクリームや冷たい飲み物をぜひどうぞ!
八方池山荘(登山口)〜八方池
八方池山荘から絶景スポットの「八方池」までは、1時間30分ほど。
木道が敷かれている場所が多く、登山に不慣れな方でも歩きやすいコースになっています。がっつり登山は無理…という方は、八方池までのトレッキングでも十分に楽しめますよ。なんといっても、景色が最高なので!
夏は高山植物も楽しみのひとつ。ピンク色のシモツケソウがとっても華やか!
第2ケルンを過ぎると景色がよりダイナミックに!日本3大キレットの一つ、不帰の嶮(かえらずのけん)もバッチリ見えています。
ここから木道を下ると八方池は目前ですが、このタイミングで運悪くガスガスに….(涙)。八方池に映る白馬三山は期待できないかな。と思ったら…
うわぁーーーーー!!!
私たちが到着すると雲が一気に吹き飛んで無風に!
まさに奇跡の絶景です!
鏡のよう…。
左から、白馬鑓ヶ岳、杓子岳、白馬岳。白馬三山いつか縦走したいと思います。
山の神様ありがとう!
八方池〜唐松岳山頂
八方池を後にし、いざ唐松岳山頂へ!いよいよここからが正念場。
美しい高山植物と切り立った山々。北アルプスならではの景色ですね。
登山道は徐々に険しくなりますが、山頂まで大きな危険箇所はありません。
この辺りから暑さで少し体調が悪くなり、昨年のトラウマが…。大丈夫、時間はたっぷりある。焦らずマイペースでいこう!
チングルマの綿毛に癒されます。ふわふわ風になびいて可愛い〜♪線香花火に見えるのは私だけでしょうか?
可愛いからのかっこいい〜!不帰の嶮(かえらずのけん)のところ、まだ雪が残ってる!
高度感に足がすくむー。去年はこの辺りで目眩がひどくて、座り込んでしばらく動けなくなりました。前にも後ろにも進めず、怖かった記憶が蘇ります。
でも今回は大丈夫!みんなで山頂に立つんだ!という強い気持ちを持って。
唐松頂上山荘の分岐まで登りきりました!
目の前に立山、剱岳を一望。
去年はここで無念のリタイア。途中体調不良で休んだことで、山頂まで行くと帰りのリフトの時間に間に合わないからです。先へ進みたい気持ちをグッと我慢して、泣く泣く引き返した記憶が。
1年ぶりにまたこの場所に立てることが幸せ。さあ、今度こそ!
ビクトリーロードを駆け上がる!ゆっくり慎重に…笑
素晴らしい眺望に心はずむ♪
標高2,696m、唐松岳ゲット!リベンジ大成功!
まとめ
途中までゴンドラやリフトでアクセスでき、アルプス初心者の方にもおすすめ唐松岳。黒菱駐車場で車中泊して朝早く出発すれば、日帰り登頂も十分可能なうえに、ご来光まで見れちゃいますよ。